現場の負担は限界 介護業界の人手不足を解消する方法とは

現在、介護業界が深刻な人手不足に陥っています。労働条件や待遇、拘束時間、賃金問題など問題は山積みで、離職者が後を絶たない状況といえます。

一方、65歳以上の高齢者人口は今後増え続ける予測が出ています。これは、これから介護を必要とする人が増え続けるということであり、それに対応できる介護者を育成しなければならないということでもあります。

国も次々と人手不足を解消するための策を打ち出していますが、一朝一夕で効果が出るものではありません。各事業所でもそれぞれ対応を求められていることでしょう。

この記事では、介護現場における人手不足の原因とその対策について紹介します。現在の深刻な人手不足を解消する対策として注目されているのが外国人の採用です。

国はアジア諸国から介護福祉士などの候補生の受け入れを始めています。日本で活躍するための技術や語学を学んだ外国人が、今後の介護業界を支える存在になっているのです。

人手不足に手をこまねいている現状を長引かせないために、外国人の採用を検討してみてはいかがでしょうか。

 1章 人手不足は本当なのか?

 1-1、需要と供給のミスマッチ

介護業界の人手不足は年々深刻化しています。離職率が高い上に、そもそも求人に人が集まらない、という問題が起きています。

厚生労働省の統計では、2025年に介護職員が30万人不足すると予想されています。

一方、65歳以上の高齢者は今後ますます増えるとされています。総務省の調査では、2025年で65歳以上の人口は3657万人に達するとされています。2000年の時点では2201万人でしたから、25年間で約1400万人も増加する計算です。

これだけ高齢者が増えるのに介護職員は足りない。そうなれば、介護を受けられない人も多数出てきてしまうことは容易に想像できるでしょう。

まして、65歳以上の人口が増える一方で、15~64歳の労働人口は減り続けています。2025年には7085万人、2060年には4418万人にまで減ると予想されています。

アイピーエス1

出典:総務省
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc141210.html

介護の世界では、この需要と供給のミスマッチがすでに深刻化しているのです。

 1-2、離職率の高さ

厚生労働省は、新規学卒者の卒業後3年以内の離職率を発表しています。それによると、医療・福祉関係は4位で38.8%の離職率。高い志をもって介護職に就いたはずなのに、理想と現実のギャップを受け入れられなかった、という声が多く聞かれます。

2離職率

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000062635.html

また、一生懸命努力をすれば給料が上がる、昇格する、などといった待遇があれば、労働者のモチベーションをキープすることができます。しかし、介護業界はキャリアプランが描きにくく、低賃金が固定化しているという問題も抱えています。

3年以内に過半数の人員が辞めてしまったら、事業所は随時求人を出し続けなければなりません。技術の継承もままならず、入れ代わり立ち代わり人が変わる職場では、コミュニケーションも難しくなるでしょう。

事業所にとって、人を採用するだけでなく離職率をいかに下げるかも重要な課題になっているのです。

 2章 人手不足の原因は?

2-1、きついイメージが定着

介護職に対して、きつい仕事というイメージを持っている人は多いでしょう。介護係の業務内容は、とにかく体力を必要とします。人を抱きかかえたり、起こしたりしますので、腰や肩を痛めてしまう介護職員も少なくありません。

また、施設によっては24時間稼働しているため、就業時間も不規則になります。人手が足りず、何日も連続で夜勤をしなければならないケースもあります。

定時に行って定時に帰る、という仕事ではありませんので、基本的にライフスタイルよりも仕事を優先せざるを得ないのが現状です。

 2-2、低賃金

介護業界において離職率が高い原因は、低賃金であることも挙げられます。介護士として働いている方の年収は250~400万円といわれています。

肉体労働で、ハードな仕事内容にも関わらず、それに見合った賃金を得られないのであれば、労働者はモチベーションを保つことが難しくなります。

特に、家庭を持っている介護職員にとって、この年収で家族を養うことは困難といわれています。単身者なら、上記の賃金でも生活できるかもしれません。

しかし、家族を養う立場の方にとっては将来が不安になってしまうでしょう。そのため、結婚やお子さんができたタイミングで離職する方が多いようです。

 2-3、休みが少ない

介護業界において週休2日、必ず休みをもらえている方は非常に稀でしょう。介護業界の休日は基本的に週に1回が当たり前。徹夜からの日勤なども行っている施設も珍しくありません。

こんな激務では現場の介護職員はどんどん疲弊します。しかし、事業所がその状況を改善できないのは、人材が不足しているからです。人が足りないから、いる人間で間に合わせようとする。結果、職員が疲れて辞めてしまう、という悪循環になっているのです。

これではいくら高いモチベーションを持って仕事に就いても、体力がもたないでしょう。

また、休みなしで働いても、その労働が給料に反映しないことも珍しくありません。固定給の場合、いくら働いても給料は変わらないからです。

 2-4、人材育成の余力がない

せっかく新しい人材が施設に入っても、その人材を育てる環境が整っていないことも離職者増加の原因とされています。

ただでさえ忙しいのに、新人に仕事を教えなければいけない。そんな余裕が無い職場が非常に多いのです。

したがって介護職では「即戦力」になる人が歓迎されます。そのため、いくら希望しても未経験者は採用されにくい現状があるのです。

本来ならば新人の育成に力を入れることは、事業所の発展と安定にもつながるはずです。しかし、人を育てる余裕がなく、その場その場をいる職員でしのいでいるのが現状といえるでしょう。

このように、新しい人材が育つ土壌が出来ないことも介護業界の悩みの一つと言えるでしょう。

 3章 対策

3-1、キャリアアップ支援

キャリアアップ支援とは、施設または施設を運営する会社が施設の従事者に積極的に資格を取得するよう促し、またその際にかかる費用を会社側が負担することをいいます。会社のサポートがあれば、お金にゆとりの無い方も資格を取ろうという気持ちになれますよね。

また、介護職員にこういった仕事に関してのキャリアを意識させ、モチベーションを高く持ってもらう、という狙いもあります。

キャリアアップ支援において資格の取得支援に力を入れるのは、介護の世界では資格の有無が昇格に左右するためです。

例えば、ホームヘルパー2級だけ持っていても昇格することは困難です。しかし、介護福祉士やケアマネジャーの資格があるだけで特別手当が付き、収入は上がります。

このように「○○の資格があると昇格の可能性がある」とキャリアアップを示すことはとても重要です。

 3-2、復職支援

厚生労働省の調べによると、2025年には75歳以上の人口が全国で248万人に及ぶと予想されています。しかし、それまでに確保できるとされる介護要員は215万人程度。大規模な人材確保計画を考えなければ、介護を受けられない方が多く出てしまうことになります。

その為、厚生労働省では復職支援を行う方針を決めました。復職支援とは、介護福祉士の資格を有して働いていたけれど、その後離職した人を再度現場に復職させる支援のことです。

介護福祉士の資格を取得している方で、実際に介護の仕事に就いている方は全体の6割程度と言われています。離職した理由はそれぞれ異なるでしょうが、現場に復帰できる状態なのに、していない人がいるのはもったいないことです。

現在、国ではそういった介護職に戻れそうな介護福祉士の資格所有者に自治体へ届け出てもらう制度を検討しています。

 3-3、待遇改善

業務内容がハードで拘束時間も長く、さらに低賃金、これでは長く勤められるはずがありません。介護の職に就いている方の7割が現在の収入に対して不満を感じている、というデータも出ています。

これに危機感を覚えた国は、介護業界の離職率を下げるために待遇改善策をいくつか打ち出しています。

まず一つが介護報酬の改定。そもそも、現在の介護職の低賃金は、国が財源不足を理由に介護事業に関する報酬をカットしてしまったことが一因にあります。国としても介護業界のあまりの人材不足に、介護報酬の見直しを検討せざるを得ない、というのが実情と言えます。

また、働いている方への賃金をベースアップさせる処遇改善加算の検討、黒字となっている介護事業者に対してボーナスカットの禁止などを命じ介護職に関する賃金の引き上げを狙っています。

 3-4、外国人の採用

2014年から日本はフィリピン、インドネシア、ベトナムからの介護福祉士の外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れを行っています。介護に関する資格はもちろん、語学講習なども行い介護に関すスペシャリストを育てよう、というのがこの制度の狙いです。

厚生労働省の調べによると、2015年の時点で、3国合わせて3100人がすでに入国しています。

候補生達は、看護師なら3年間、介護福祉士なら4年間で就労・研修することになっています。資格取得後はそのまま日本に滞在し、就労することが可能。また、滞在期間に制限はありません。

そのため、長く日本にとどまって活躍してくれることが期待されています。

始まったばかりの受け入れ制度に加え、受け入れ人数に制限がある為まだ普及していませんが、今後は外国人が日本の介護業界にとって不可欠の存在になってもおかしくはありません。

 4章 最後に

介護業界の人手不足は深刻さを増しています。各事業所の自助努力ではもはや解決できない問題です。そのため、国レベルでの改善策がいくつか考案され、実施しされています。

根本的に介護現場の人手不足を改善するためには、介護職における労働条件の改善、賃金の引き上げなどを実行していくことが急務となります。

また、積極的に海外の人を採用することも不可欠になってくるでしょう。

確かに、海外から来た人々に対する文化や言葉の壁を不安視する人もいます。しかし、外国人派遣のリーディングカンパニーIPSでは、多くのフィリピン人を介護現場に派遣していますが、事業者様、入居者様より高い評価をいただいています。

高い語学力と、真面目に仕事に取り組む外国人スタッフは貴重な戦力です。ぜひ採用をご検討ください。

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